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Clash of Clans — 2021年6月17日

クラクラ日本一決定戦 6月予選 ブロック決勝 観戦記

クラッシュ・オブ・クランの公式大会「クラクラ 日本一決定戦」の6月予選ブロック決勝が、2021年6月12日に開催されました。

8名の選手たちが決勝大会への出場権を賭けて、熱い戦いを繰り広げたこの戦いの観戦記をSUPERCELL公式クリエイターのpontaさん(@claclaponta)に書いていただきました。


コロナ禍の影響か、選手はすべてオフラインでの対戦となりましたが、決勝に進出した8名すべてが顔を出しての出場となりました。

顔出しに抵抗が少なくなったという時代の変化もあるのでしょうが、それ以上に選手たちの本大会への協力姿勢を感じました。

6月予選の決勝大会に進出した選手の中で、知名度がとくに高かったのは、2020年の世界大会で2位に勝ち進んだQueenWalkersメンバーのGAKU選手、STARAs選手(ほし)、klaus選手の3名であると言い切っても良いでしょう。

この3人は日本はおろか世界中にその威名がとどろいており、生放送のチャット欄にもしばしば彼らのファンとおぼしき外国人たちが登場していました。

彼らが前評判通りに予選決勝まで勝ち上がってきたことで「クラクラがうまいやつはやっぱり強いし、どんなルールでも勝ち上がるんだ」という当たり前の事実が浮き彫りとなりました。

さらには本大会予選で勝ち残ることの価値や、ルール設計の説得力が増したと言えるのではないでしょうか。

彼ら3人以外では、元はぐれメタルの城(現†RestructioN†)所属のPuchin選手が比較的、その名をコミュニティに知られている存在ですが、それ以外の4名の知名度は正直、高いとはいえません。

しかし大会の公式ホームページに「クラクラの主役をうばいとれ」とあるように、無名のプレイヤーが有名になっていくストーリーこそが大会運営側も望んでいるように思えます。

そういう意味では、決勝に勝ち残った8人のうち4名が有名プレイヤー、4名が知る人ぞ知る実力者というのは、とてもバランスがいいように感じました。

この8名の対戦は、予選の2回戦以降と同じく、BO3(2ゲーム先取)で行われました。

TH14の全壊率が高い現環境において、トッププレイヤー同士の対決となると全壊の連発が事前に想定されました。

その場合、残りタイムの多いプレイヤーのほうが勝利となるため、破壊速度が早いライドラ編成の過多になることが懸念事項になっていました。

事実、予選ではライドラ編成の使用比率が多かったという声が多く聞かれました。

正直、特定の編成だけに偏ると、視聴者側としては面白くないなと思っていましたが、実際はライドラだけに偏ることもなく、開幕早々の鬼選手のホグラッシュなど、多種多様な攻めを楽しむことができました。

また、STARAs選手がklaus選手の配置から全壊を取り逃したように、この大舞台で、トッププレイヤーの創造的な配置から全壊を奪うことは決してたやすくないことも明らかになりました。

4時間以上にもわたる死闘の結果、GAKU選手、Klaus選手、宇治茶選手、もりお選手が決勝大会に駒を進めることとなりました。

残念ながら敗れてしまった4選手の多くは、7月、8月の予選大会にまた挑戦してくるでしょう。解説席にいたyuta14選手をはじめ、予選決勝に進むことができなかった強者たちも、モチベをさらに上げて残る椅子を狙ってくることは間違いありません。

そうした激戦の中で、毎回、予選決勝で負け続ける選手や、"中年の星"的な選手、ユニークな戦術に特化した選手など、視聴者が推したくなるような人物やストーリーがどんどん産まれてくることになるでしょう

クラン対戦にはクラン対戦の良さがありますが、個人戦には個人がフューチャーされるという面白みがあります。さらに濃いキャラ、新しいヒーローの登場が待たれるところです。

先だって公開された公式PVに「日本にはヒーローが必要だ」というテロップが大きく打ち出されていましたが、まさにそのような気持ちです。

ひるがえってみると、これまで開催された公式・公認イベント(TGS・2015年、VERSUS・2017年、ウェルプレイドリーグ・2017年)は既存ヒーローのパワーを有効利用する形で初期集客が設計されていました。

しかしいま、日本のクラクラ界において、画面にいるだけでみんなが見たくなるような強力なヒーローは非常に少なくなっています。

いわば、これまでのイベントが"ヒーローが決着をつけるための物語"だったとするならば、今回の日本一決定戦は"新たなヒーローが因縁を紡ぎ始める物語"と位置づけることができるかもしれません。

完全なオープン大会、実力以外になにもいらない非常にフェアな舞台です。影響力やフォロワーの数など、なんの助けにもならない世界です。

今年の「クラクラ日本一決定戦」が終わった時、すでに有名な選手がさらにパワーを得て一段上のインフルエンサーになるのか、無名な選手が一躍、下剋上を果たすのか。どちらにしてもクラクラにとっては素晴らしいことといえるでしょう。

最後に、放送全体の感想としては、高品質で、見やすい作りとなっていたように思います。

さらには、今大会では「これまでの公式大会とは違う」という野心的な試みが各所に見られました。

冒頭に述べた全員顔出し必須もそうですし、会場の雰囲気や、選手自身によるプラン解説も新鮮でした。

とりわけ新鮮味があったのは、実況のOooDa 氏にとどめを刺すでしょう。

OooDa氏は他のFPSタイトルの実況で、豊富な実績と高い知名度を誇る実力者ですが、クラクラの解説は初めてであり、彼の起用はやや挑戦的に思えました。

しかし事前にしっかり勉強してきた成果か、完ぺきに近い実況を視聴者に見せてくれました。

自分達の好きなゲームをしっかり学んできてくれている、クラクラリスペクトのある仕事ぶりに、視聴者も非常に好意的だったように思えます。

解説のyuta14選手も、豊富な知識は言うまでもないですが、YouTuberとしてのキャリアを詰んだ成果かトークが上達しており、とても聞きやすくわかりやすい説明を届けてくれました。とくに同じチームのメンバーの解説をするときは、その心理状態まで説明してくれており、彼のアサインは大正解だったといえるでしょう。

そのyuah14選手には、7月で決勝大会のキップを勝ち取ってもらって、8月にまた解説席に戻ってきてくれることを個人的には望んでいます。

しかし彼の前にはまだみぬ新鋭、強敵が立ちふさがっていきます。

来月はどんな選手による、どんなドラマが見られるのでしょう。いちクラクラファンとして楽しみでなりません。

■7月予選のエントリーはこちら!
https://tonamel.com/competition/owqmS

6月予選 ブロック決勝のアーカイブはこちら。